お猿の戯言 homosapiensaru's babble


2009年12月31日[木] 大晦日

2009年も暮れて行きますな…<br><br>
2009年も暮れて行きますな…


年末もいよいよ差し迫って、もう大晦日だ。

今年もバタバタでした。
なんとか脱却したいと毎年の瀬にぼやいている。

いやんなっちゃうね。

来年は前向き前向き!
このサイトももっともっと面白くしなくちゃね。

さてと、除夜の鐘が聞こえてきたら近くの神社へ初詣です。




2009年12月26日[土] 奥山民枝さんの絵を!

ⓒtamie okuyama<br>《シリーズゆらぐ:地気》<br>キャンバスに油彩 44.0 × 52.0cm 1991
ⓒtamie okuyama
《シリーズゆらぐ:地気》
キャンバスに油彩 44.0 × 52.0cm 1991
ⓒtamie okuyama<br>《シリーズわたる:天脈》<br>銅箔キャンバスに油彩 73.0 × 60.5cm 1998
ⓒtamie okuyama
《シリーズわたる:天脈》
銅箔キャンバスに油彩 73.0 × 60.5cm 1998


センター入試の試験監督の説明会に行けず、今日入試課で個人的に指導を受けることになる。それが終わって仕事を始める前に決断。観に行くなら今だ!…と。

ず〜っと気になっていた奥山民枝さんの収蔵作品展だ。
とうとう最終日前日になってしまった。

東京オペラシティへ向う。大学からはバスが便利だ。
本展のヴェルナー・パントン展をすっ飛ばして、収蔵作品の展示室へ急ぐ。

おぉ!こんなに!と声を上げるほど作品がひしめき合っている。
内在する光の作品がそこかしこに溢れている。
奥山民枝さん特有の少しエロティックでもあるフォルムが超現実的な光に彩られ、人智を超えたところにある存在といったものを表現している。山も植物も動物以上に生きている存在なのだということが心に染み込む。

第2室へ入ると、鉛筆画やら銅版画も展示され、かなり満腹になる展示になっている。メゾティントの深み。鉛筆の艶かしさ。奥山教は画材を代え、モティーフを代え人の関わらない場所での宇宙の営みを提示する。

ぼくは、第1室の方が圧倒的に好きだ。それでも作品が多すぎるのではと感じた。
ここの展示設営には、作家が携わるのだろうか。それとも美術館側が並べていくのだろうか。
この部屋の展示の仕方が今回はとても気になった。
こんなに作品の数が必要だろうか。収蔵した作品をすべて観せなければならないのだろうか。もしそうだとしても見せ方ということがあるのではないだろうか。ほんとうにいいものを数点観させていただくだけで相当の満足を得られると思う。奥山民枝さんの絵をたくさん観れたことはよかったが、会場がもっと作家を演出する空間になっていたら奥山教の教えは深く深く流布され信者がもっともっと増えたに違いない。本展のあの展示の凝りようと比較すると力の入り方の温度差を感じてしまう。何も、変に凝れということではない。ポン、ポンとただ絵を並べるにしても絵の間の距離や隣接する絵のチョイス、対峙する絵との関係等、なるほど!というじわじわとしたセンスのよさを期待したいのだ。
絵そのもののよさがまずは大事であるし、一枚の絵と対峙してその絵が語りかけて来るものすべてを受け止めることで最終的にはいいのだが、空間全体で作家の意図が滲み出してくれたらなお素晴らしい。展示会ではなく展覧会にするということ。更に言えば、その作家のチャペルになっていて欲しいと願う。絵を作品をプレゼンテーションする方法はよく練らなければならないと強く感じた。


 → 東京オペラシティ/アートギャラリー/奥山民枝収蔵展




2009年12月25日[金] Merry Christmas!



今年は、年賀状ではなくクリスマスカードを作ってみました。
いろんな反応があって、年賀状よりもうれしたのしです!




2009年12月12日[土] 日常に戻る…。

先日、日本橋に行ったときに発見!<br>一年前に制作した三越百貨店の<br>正月用のビジュアルだ<br>まだ使ってるんだぁ!?
先日、日本橋に行ったときに発見!
一年前に制作した三越百貨店の
正月用のビジュアルだ
まだ使ってるんだぁ!?


あっと言う間に12月も半ばだ。

海外出張や個展が終了し、再び元の生活に戻る。
…といっても、ぼくの元は元々ぐちゃぐちゃ・ばたばたなのでどこに戻ったのかよくわからないのが正直なところ。戻る場所がないというか、落ち着く場所がないというか…。

この二週間においては、それぞれの学年の授業の他に、大学院と留学生・社会人・帰国子女の入学試験があった。入試広報委員会や入試検討委員会といった会議も続いた。

さらに、海外出張や個展で延ばしに延ばしていただいていたグラフィックやイラストレーションの仕事を片づける日々であった。
夕べも研究室に泊まり、ある仕事を片づけていた。ろくに眠らず、午前中にあった卒業制作展のメインビジュアルの表彰式に出席し、夕刻からは入学試験の採点もした。




サントリー美術館/鏑木清方展
サントリー美術館/鏑木清方展
THE OUTLINE/見えていない輪郭 展
THE OUTLINE/見えていない輪郭 展

表彰式後、夕べの仕事もなんとか形になったし、採点まで時間が空いたので、サントリー美術館に出かけることにした。

楽しみにしていた鏑木清方だ。
挿絵画家から日本画家に転向していったという興味や、ポスターやチラシにもなっている類いの作品が観たくて出向いたが、はっきり言ってあまり面白くなかった。
山種美術館が広尾にリニューアルオープンしたときの杮落としであった速水御舟展のときもそうだったが、清方にしても御舟にしても、興味ある好きな作品が自分の中で大きく膨らみ過ぎてしまって、それがその画家の全体の質であると勝手に考えてしまっていたようだ。
展覧会の目玉である作品はとてもいいのだが、それ以外の作品に触れたときに、さらに興味を深めるのではなく、逆に興ざめしていく自分がいた。特に明治時代以降の日本画の作品を鑑賞したときにその傾向が顕著になっている。
もちろん、勉強になる部分はある。しかし、もういいなぁ…という思いの方が先に立ってしまうことを考えなければならない。

 → サントリー美術館


もうひとつ、21_21にも足を運んだ。
"THE OUTLINE" 見えていない輪郭 展 プロダクトデザイナーの深澤直人と写真家の藤井 保の展覧会だ!こちらは期待していかないで行ったら、これがよかった!
三次元のことを思考してできあがったものが二次元の世界に落とし込まれるときのどんでん返し的に変貌させることのできるその写真のディレクションの妙ににやにやしたのと、プロダクトの世界の、「もの」になるということの面白さに羨望した。フォルムやマッスといったものをリアルに肌にすることのできるずるさ!使えるものであるということの素敵で正統的な卑怯さ!でも、自分がそこにいたらそのことで辟易するんだろうなぁと考えると、人ってどこまでもわがままだよなぁと思う。それにしても創造することってやっぱり面白いわ!

 → 21_21 DESIGN SIGHT